あいのり2 第1話(その1)
「新たなる旅のはじまり」(前半)
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とあるアジアの国に住む、1組のカップル。

男性、「将来はどうするつもり。」
女性、「夢もあるし良い未来だといいな。」
男性、「俺は仕事、頑張らなくっちゃな。」

2人は、付き合い始めて、2年。男性には、ある思いがあった。それは、女性との結婚。
男性の仕事は、車の塗装屋さん。目の前には、新しい白い車があった。とある人から仕事の依頼があったのだ。それは、勇気を与えてくれるかもしれない仕事。男性は、ピンク色の塗料をだし、おもむろに塗り始めた・・・。

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その頃、東京・お台場では、真実の愛を求め、男性4人がいた。

1人目、でんじ、30歳、岡山県出身、東京でカフェを経営。

でんじ「20代後半、仕事に没頭してて、恋愛していなかったので、30歳になって仕事も落ち着いたので、恋愛をしてみたいと思いました。」

2人目、川平(かわへい)、20歳、愛知県出身、フリーター。特技は、ナンパ、成功率8割。

川平「日本では、軽い恋愛しかしてこなかったので、あいのりなら真剣な恋が探せると思い応募しました。」

3人目、コバっち、21歳、大阪府出身、居酒屋店員。趣味は、筋トレ。困った人がいると、助けずにはいられない。

コバっち「日本では、ルックスばっかりする恋だったので、中身もしっかり見れる恋をするために参加しました。」

4人目、ゴリラー、22歳、岡山県出身、プロレスラー。得意技は、水車落とし。ただ、15戦中勝ち星なし、22年間彼女もなし。

ゴリラー「すごい人見知りで、女性と付き合ったことがなくて、彼女が欲しくて、人見知りを直したくて、あいのりに参加しました。」

4人は、旅の舞台に飛行機で向かった。

その頃、アジアの国では、依頼された仕事が完成した。仕事とは、「ラブワゴンの塗装」だったのである。

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12時間後、男性メンバーが降り立ったのは、あいのり2 最初の国、「バングラデシュ人民共和国」。北海道の2倍ほどの面積に、日本よりも多い1億5,000万人が暮らす。国全体が、ガンジス川などで作るデルタ地帯上にあり、水害が絶えず、国民のほとんどが貧困に苦しんでいる。バングラデシュ人は、日本人によく似ているといわれ、シャイでまじめな人が多い。勤勉な国民性と労働コストを武器に、近年は、経済発展が目覚ましい。
また、国旗は、緑色の背景に中央左寄りに赤丸と、日本に日の丸によく似ている。

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気温37℃、湿度80%の蒸し暑い中を歩くと、ラブワゴンを発見した。

ドライバーは、ダリムさん、23歳。17歳の彼女と付き合って2年。プロポーズをしたいがなかなかできない、シャイボーイである。

コバっち「おじゃましま〜す。」

最初に乗り込んだのは、コバっち。先代の「あいのり」のカップルの写真も中には貼られていた。

ほどなくして、現地の人が寄ってきた。バングラデシュでは、観光産業が発達しておらず、あまり外国人が旅行に来ないので物珍しいのである。

空港から走ること1時間、最初にメンバーが訪れたのは、首都「ダッカ(Dhaka)」。人口は、1,400万人。人口増加が激しく、いたるところに人や車が点在し、普通に道を行くのにも常に危険が伴う。

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翌日、女性メンバーが合流する。

1人目、ヤマジ「ご存知の方もいるかもしれませんが、愛知県から来ました、ヤマジといいます。今度こそ私だけの○○○○(個人名)を見つけて帰りたいと思います。」

25歳、愛知県出身、うどん屋店員。帰ってきた、なんだろう娘。

本物のヤマジに男性メンバー、びっくり。

ヤマジと言えば、一度も男性と付き合ったことのない、22歳。参加後、ただっちに恋をしたが、チケットを渡せずにリタイアした。

ヤマジ「仮に好きな人が出来ても、ただっちみたいにあそこまで、ある程度、積極的にはならないといけないと思うんですけど、あそこまでガツガツした・・・、しないほうがいいだろうなと・・・。」

川平「テレビで見るより、顔小さいね。」
ヤマジ「ほんとですか? いや嬉しいです〜。」

2人目と3人目の女性は、一緒に待っていた。

あさみ「千葉県から来ました。あさみと言います。一日一日を大事にしたくて、後悔のない恋をしたいです。」

2人目、あさみ、23歳、千葉県出身、ショップ店員。身長154cm、アヒル口がチャームポイント。

そして、もう一人。

ちゃむ「東京から来ました、ちゃむです。チャームポイントは、よく笑うことです。」

3人目、ちゃむ、21歳、東京都出身、チアリーダーコーチ。短大卒業後、小学生にチアリーリングを教えている。

あさみ「ヤマジさん、あははは・・・」
ヤマジ「この旅にリベンジしに来ました。」

これで、7人が出そろった。

あいのり2相関図#1-1

いきなり、恋におちちゃった男がいた。

コバっち「やばいっすね。あさみが可愛かったですね。あさみちゃん。とりあえず、話します。いや〜緊張する。」

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メンバーには、ここで、旅の資金が渡される。渡されるのは、1日に必要最低限の額で、この国では、1日約700円。

あいのり2では、前回記載した、「メンバー強制合流」の新ルールの他に、「イマつぶフォン」によるつぶやきが新たに追加された。番組放送中、連動して、メンバーもつぶやきが公式サイト上の、「イマつぶ」に掲載される。メンバーには、「イマつぶ」送信用の携帯電話が渡された。

メンバーは、最初の宿泊場所であるホテルに到着した。しかし、部屋に付くと、電気が消えてしまった。バングラデシュでは、首都でも停電が多い。なので、ろうそくは必需品である。今日のホテルは、1泊300円。一般的なホテルである。

男性メンバーの部屋では、川平が、「ムリ」を連発していた。なぜか? それは、汲み取り式トイレだった。几帳面な、川平は、そこで用が足せないのだ。

でんじ「見んとけや。へこむから。」

川平「(イマつぶ)ホテルって、こんなに病むところだっけ?」

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メンバーは、夕食の為、街に繰り出した。

ゴリラー「ナンがある。」
でんじ「うわぁ、すげぇ。」

バングラデシュ初めてのご飯は?

コバっち「おお来た、チキン。」
川平「うまそう。」

食事は、チキンカレー。インドと違ってスパイスは少ない。素材の味を重視する。チキンに少量のスパイスを入れ、青唐辛子と一緒に20分ほど煮込むだけ。

ただ、箸やスプーンは付いていなかった。この国では、食事は手で食べる。なので、食事前に手が洗えるように手洗い場がある。また、必ず右手で食べる。左手は不浄とされているから。

お味は、ヤマジにはちょうど良かったが、あさみには、ちと辛かったようだ。

そんな、辛い辛いしている姿を、現地の人は、携帯電話で撮影していた。あさみには、多数の現地人の“ファン”が出来たようだ・・・。

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翌日、

でんじ「まだ、隣同士になっていない人とかいるから、席どうするって考えたから・・・。」

でんじは、昨日と隣が一緒の人にならないように、席を考えていた。

先頭が、ゴリラーちゃむ、真中が、コバっちあさみが乗ることになった。残りのメンバーは一番後ろに乗る。

ラブワゴンに乗り込むと、女性メンバーから次に泊まるホテルのリクエストがあった。洗面所がなかったので、化粧に苦労していた。

朝食を減らせばもっといい場所に泊まれるかもしれない。
メンバーは、明日こそいいところに泊まろうと思った。

でんじは、リーダーとして、メンバーを引っ張っていた。

あいのり2相関図#1-2

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