あいのり2 第1話(その2)
「新たなる旅のはじまり」(後半)
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メンバーがやって来たのは、街の公園。

ヤマジは、でんじと2人きりになった。

ヤマジ「髪の毛、ナチュラルだよね。ワックスつけてる?」
でんじ「ワックスつけてる。一応今日は。普段は、つけない。時計も今はしてるけど、時計もしないし。」
ヤマジ「飲食店は、清潔感が大事だからね。」
でんじ「洋服も、ユニクロとか無印(良品)とか着るの。」
ヤマジ「細いからユニクロとか無印とか似合うと思う。こういう無地のシャツをここまで着こなせるって、やっぱいいと思うよ。ほんとに。」

ヤマジ「女の気持ちとか結構わかっているよね。やっぱ、男の人って女の人の気持ちわからない人結構いるからねぇ。」
でんじ「お店をやっていると、女の人がオーナーさんだったってよく思われたりとかする。基本は、女の人しか来なくて、ランチくらいはまぁ、子連れのママさんが多くて、それ以降は、子供ってやっぱ来ないじゃん。」
ヤマジ「そうだね。夜遅いと。」
でんじ「後は女子だけ。」

2人で、でんじのお店の話で盛り上がった。

ヤマジ「無難に雇われ店長だったら楽かもしれないじゃん。でも、何もかも自分が一番上ってなるのがすごいと思う、私は。」
でんじ「でも、超大変だった。でも、すごい幸せ。自分が全部作って、それに対して、人が喜んでくれるのを見たときは、感動と言うか、なんで来てくれてるの?みたいな。」

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一方、コバっちは、あさみをゲットした。

コバっち「座っていいよ。」
あさみ「ありがとう。」

2人、ベンチにて・・・。

コバっち「・・・・・・。何話していいか分からんな。」
あさみ「うん、わからない。」
コバっち「どうやった? 最初みんなぱぁっと見て。」
あさみ「ぱぁっと見て? 川平は、しゃべりやすそう。」
コバっち「コバっちは?」
あさみ「コバっち? 誰? えへへへ。」

目の前にいるのに、名前を憶えてくれていなかった・・・。
コバっちは、矢で頭を突き刺されたようなショックを覚えた。

あさみ「あいのりの旅って一生続くわけじゃないじゃん。だから、頑張らないとって思って。」
コバっち「そやねん。変わりたいねん。俺も。」

コバっち「いつも決め手は何? 自分からは言わない?」
あさみ「分からない。今までがしないかな。でも、ガッツリこられると、ひいちゃう、いつも。」
コバっち「ああ、ほいで。」
あさみ「バーってくると、ふぁぁっっ!てなる。でも好きになる条件は、特にはないかな? 一緒にいて、居心地がいいかとかだから。」
コバっち「大事やんな。」

コバっち「(日記)あさみといるとめっちゃドキドキする、これから楽しみでしゃーない。」

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その日の夜、スタッフの部屋には、ヤマジがいた。

スタッフ「今日は、どうだった?」
ヤマジ「今日、まぁ、そうですね。でんじは、本当にやっぱり考えが大人ですね。そこは、でんじの一番の魅力じゃないですか? 大人である。しっかりしている。あと、やさしい。でまた、なんていうんでしょう、外見とかを着飾らない。あんま粋がっていない感じもいいですね。でんじと一緒に歩いていたんですけど、歩幅がすごく合いましたね。背が高いから歩くの速そうですけど。合わせてくれたんでしょうね。」
スタッフ「どう?」
ヤマジ「すごく、あたしの中では、好きですね。」

あいのり2相関図#1-3

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もう一人、悩みを抱えたメンバーが、それは、ゴリラーだった。

スタッフ「彼女いない22年は、どうだったの?」
ゴリラー「ああ、人生。ああ・・・。さみしい人生でした。」
スタッフ「彼女欲しい?」
ゴリラー「欲しいです。」
スタッフ「そんなに欲しい?」

この日、実は、ゴリラーは、ちゃむと2人きりになっていた。

ちゃむ「プロレスって、何でもありのやつですか?」
ゴリラー「プロレスは・・・。」
ちゃむ「違う?」
ゴリラー「何でもあり。」

隣のちゃむだけでなく、現地人にも囲まれ、緊張はピークだった。

結局、ちゃむの一方通行の会話になってしまった。

その後、ヤマジとも一緒になったが、ゴリラーのほうから話を振ることはできなかった。

ヤマジは、ゴリラーに慰めのクッキーをプレゼントした。ちなみにこのクッキーは、日本からの飛行機の機内食に付いていたものだったりする。

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メンバーは、線路脇のスラム街に来ていた。
線路で遊ぶ子供たち。電車も当然通る。

ここで暮らしているのは、地方からやって来た人たち。家がないので、線路脇のスペースに小屋を建てて生活している。スラムは、いつしか2kmの長さになった。

コバっち「いや〜、これは、絶対忘れられへんわ。」

彼らのご飯は、ハエのたかった魚。家には、トイレも風呂もない。その日の生活費を稼ぐのがやっとで、収入は、1日130円。学校には行けない。線路で遊ぶのは、彼らの唯一の楽しみである。

スラムを後にしたメンバー、ラブワゴンから少女が走ってくるのが見えた。これは、物売り。それを見た、コバっちの目には涙。

コバっち「(日記)でっかいトラックにはねられたような、衝撃だった。」

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メンバーは、ダッカの郊外に来ていた。これは、水上レストラン。すべて個室で、カップルにも人気のデートスポットである。メンバーも食事をすることに。

ちゃむゴリラーが一緒になったが、個室に入るところで、ゴリラーが頭をぶつけてしまった。

コバっちは、あさみと食事。

コバっち「食べてみな。分からんでも辛いか。」

今回出た食事も激辛チキンカレーだった。

あさみ「辛いの食べると熱くならない? 絶対、髪の毛さ、短いとさ、だいぶ涼しいと思う。」
コバっち「上げとき? あ〜ちょ、タオル。」

コバっちは、タオルをあさみの頭の上に乗せて、巻き付けた。

あさみ「お風呂上がりみたいになっちゃうじゃん。」

コバっち「これ、めっちゃかわいいやん。」

コバっちは、あさみのうなじに夢中だった。

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メンバーは、伝統衣装の店にやって来た。男性のものは、「ルンギ」と呼ばれ、筒状に縫い合わせただけのもの。

女性店員「ノーパンでつけるのよ。」

ということで、男性全員パンツを脱いで、ルンギを着ける。

川平「なんか、すげぇ。」

座るときは、気を付けないと、出したくない“ブツ”だ出てきてしまう。

女性の服も、ノーパンが基本である。ただ、ブラジャーは着けていても構わない。
早速、女性メンバーも更衣室へ。

ちゃむ「乳首だめ・・・。だめ・・・。ほら・・・。」
スタッフ「全然、分らんで。透けてる?」
ちゃむ「透けてはないです。」
スタッフ「乳首の位置が分かる。」
ちゃむ「うん・・・、ふふふ。寒かったりすると乳首立つから。」
あさみ「えへへへへ。」
ちゃむ「すごいヤダ、リアルに。」
スタッフ「暑いから、乳首も立たんことない。」
ちゃむ「いや、でも乳首は立ってしまう・・・。ふふふふ。」

着替え終了。男性メンバーにお披露目。

でんじ「男はノーパンだけど、女子は?」
川平「え?どっち?ノーパン?」
あさみ「一緒、一緒。」
でんじ「一緒・・・。」
川平「え?上下?」
あさみ「上は着けていい・・・。」
川平「下はいかんのだ。」
ヤマジ「私は、ノーブラです。」
ちゃむ川平「あはははは。」
コバっち「言うねぇ! 言うねぇ!!」

男性メンバーにどの女性メンバーがよかったか投票してもらう。

ゴリラー「ちゃむで。」
川平「あさみやね。その色あいといいね。」
コバっち「あさみやね。」

これまでに、誰にも指名されていないのは、ノーブラのヤマジだけ。

最後の、でんじは、お世辞にも、ヤマジを指名。

その後、ラブワゴン内で、ヤマジは、イマつぶ中。「(イマつぶ)でんじ、ありがとう。でんじが選んでくれたこの民族衣装、日本でも大切にしよう。」

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メンバーは、国会議事堂前の公園にやって来た。

ヤマジは、でんじの誘い待ちをしていたが、でんじが誘ったのは、ちゃむだった。

あさみは、コバっちと一緒に出掛けた。

2人は、見晴らしの良いところにやって来た。下には現地人。
ちょうど、雨が降ってきた。
コバっちは、あさみ「オロナ」と呼ばれる布を頭にかぶせた。

下の現地人の反応が変わった。

コバっち「ヤバない。」

2人がやったこれは、現地では、結婚式で行う大事な儀式、下の現地人は、2人が結婚したと勘違いしてしまった。

コバっちは、どさくさに紛れて、あさみのノーパンの腰を抱いた。

コバっち「いや〜あの2人きりになれた時間がヤバいっすね。ねぇ・・・久々になんか・・・ドキドキするっすね。宙に浮いた感じです。ふふっ。」

コバっちは、とてもうれしそうだった・・・。

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