深夜、先ほどの懺悔話が実は、自分が被害者であったと
スタッフに告白した
ヤマジは、
スタッフに促され、ホテルの部屋に戻った。
部屋にいた
まぁみんには、懺悔話の真実を話した。しかし、男性メンバーには、真実を語るつもりはなかった。
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翌朝、
ヤマジは、
スタッフに今日に限り、女性の隣に座っていいかを相談する。
スタッフは、事情を理解しOKしてくれた。
その結果、
ヤマジは、
まぁみんの隣に座ることになった。いつもと違う光景に、
ただっちは、
「なんなん。このフォーメーションは?」とびっくりしていた。
そして、昼食場所であるレストランに到着した。スパゲティーを注文後、
ヤマジは、
まぁみんと一緒に料理が来るまでの間、外で会話をしていた。
話題は、男性メンバーのこと。あの事件以来、
ヤマジは、
ただっちが自分を明らかに避けているようで気になっていた。
まぁみんは、
「ヤマジが気にしているからそう見えるんだよ。普通だよ。」と言った。
そのころ、男性メンバーは、
ヤマジと
まぁみんの行動が理解できないでいた。2人は、何かしらでもめているのではないかと感じていた。
1時間後、料理が出てきた。しかし、メンバーは、無言で食事を進める。重い空気があたりに広がっていた。
今日のラブワゴンの男性を避けるような座り方が気になっていた。また、先ほどの2人のひそひそ話とも取れる会話も気になっていた。
ただっちが
「自分の事も大事やけど、みんなの事も大事やから。」と言うと、2人は謝ってはいたが、
レスラーや
ゴーヤには、納得いくものではなかった。
ヤマジは、これ以上、隠すことはできないと思い、真実を話すことにした。自分は、同情されるのが嫌なゆえに、自分が被害を受けた話を、自分が加害者に置き換えて言っていたことがあったこと。先日の懺悔話の被害者は自分であることを、メンバー全員に話した。
ヤマジは、過去のことを引きずっていたことを後悔し、また、真実を言ったことで、肩の重みが取れた気がした。
一方、
ただっちは、
「心がぼこぼこになっている気がする。」
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月が輝く夜、
ヤマジは、
ただっちに呼び出された。
ただっちは、
ヤマジに、
「頼られる人間にならないとあかん。」と言った。
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翌日、
「オモドス」の街の公園にやってきた。公園には、遠足に来ていた小学生と遭遇し、メンバーは、ともに遊んでいたが、その一方で、
ヤマジが大事なものを無くしたようで、周囲を探していた。それは、ヨルダンで、みんなお揃いで買ったミサンガ。一番忘れてはいけないものだった。
ただっちも
ヤマジと一緒になって探すが、結局、見つからなかった。
1時間後、
ヤマジは、
「みんなとの思い出を忘れてくるなんて。」と落胆していた。すると、
ただっちが、
「それなら、ここでまた、思い出を買うか?」と言ってきた。
ヤマジは、
「そんなに気にしなくても。」と言っていたが、ここで買わないと、
ヤマジが再び後悔すると思い、7人お揃いのミサンガを買いなおすことにした。
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夜、キプロスの空に輝く月のそばで、
ヤマジは、いままでの、
ただっちとの旅を思い出していた。ほどなくして、向かった先は、ラブワゴンであった。
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