あいのり43カ国目、
「ブータン王国」
ブータン王国では、独自の文化を守るため、観光客の数を制限している。外国人観光客は、事前に1日200ドルを国に納める。
まず、メンバーがはじめにやってきたのは、
「パロ」と呼ばれる街。ここには、日本の田園風景を思わせる水田が多数存在した。ブータン人も顔つきが日本人そっくりで、先祖をたどっても、近い人種らしい。
メンバーは、パロの街で昼食をとった。
「エマダツィ」は、ブータンでは代表的な料理で、青唐辛子をチーズで煮込んだもの。
りぃいわく、
「辛っ!」
激辛の料理を食べながらも、
りぃの視線の先には、しっかり
創太がいた。
創太は、橋づくりを夢見ていたが、自分の進路に悩む、
りぃの相談相手になっていた。
創太、
「(りぃと)話すと、悩みとか抱えているくせに、みんなの前では笑っている。強い子だろうと思った。」
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この日は、新メンバー合流の日。
まず、1人目は、
隼人、山形県出身、26歳、寿司屋、特技はスノーボード。
りぃは、
隼人と同じ東北出身なので、親近感がわいてきた。
続いて2人目は、女性メンバーなのであるが、悲壮なきっかけで参加する。
小さな頃から引っ込みじあんで人見知りが激しく、友達も少なくさみしい学校生活を送りました。そのためかこれまで彼氏はおろか男友達さえ作ることが出来ませんでした。その内自分はきっと恋愛なんてものに縁がないんだ、そういう人生もありかもしれないと思い込むようになりました。でもこのままではいけないと思い立ち、巷で言う合コンに参加したこともありましたが前日から不安と緊張に襲われやっとの思いで出席したものの狙った男性にアタックするなんてとんでもなく会話することすらままならずに一人無心に焼肉を焼き続けるという結果に終わりました。
隼人が合流してから20分後、その新メンバーはいた。
ゆーみん、京都府出身、21歳、心理学専攻の大学生。
さくら、
「創太は、大学生。橋作りたいんだって?」
ゆーみん、
「え、お菓子?」
緊張のあまり、話がかみ合わない。
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ミャンマーに残された、
浅ちゃん、医者いわく、
「専門の病院に運ぶ必要がある。」とのことで、タイのバンコクの病院に移送された。
さくらは、
浅ちゃんのことを思い返していた。
さくら、
「(修行から戻った時、)キラキラした瞳でカッコよかったよ。」
さくら、
「浅ちゃんは、元気になって帰ってくるよ。絶対リタイアしないと思うんだけどな。」
ゆーみん、
「早く戻ってきはったらいいのにな。」
さくら、
「ね、会いたいでしょ?」
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その日の夜、メンバーはホテルで夕食をとった。
創太が
りぃにパンを取ってあげていると、
ハッシーが、
「今日は新メンバーがいるからちょっと・・・。」と言って
創太を止めた。
さくらは、
「何照れてるの?」と言った。
りぃは赤くなっていた。
さくら、
「りぃかわいい。」の一言に、
りぃは、
「かわいくない。」と言った。はずかしい所をみられた気がした。ただ、新メンバーの
ゆーみんに会話はなく、溶け込めていなかった。
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メンバーは、首都
「ティンプー」に到着した。ブータンは、信号機が一つもない国。この国唯一の交差点には、おまわりさんが立っている。(かつては存在したこともあったが、国王の命令で撤去されたとか。)
この日、
ドライバーの勧めでやってきたのは、民族舞踊の練習場。
「衣装に着替えて、一緒に踊りませんか?」と言うことで、メンバーは、着替えて踊ることにした。
創太、
「かわいいんじゃないの? 結構似合ってるんじゃないの、これ」
りぃ、
「本当、ありがとう。」
その日の午後、
創太が
りぃを呼び出した。
創太、
「りぃには結構感謝していることがあってね、人としゃべる時、言葉を選んでしゃべっていたの。そういう部分で、りぃは頑張りをしていない?」
りぃ、
「あ〜あ、それは良かった。」
創太、
「これからももっとりぃを知りたいと思ってる。」
りぃ、
「じゃんじゃん、探してください。」
創太の
りぃへの想いは、動き出した。
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この日、目指したのは、
「ワンデュポダンゾン」、僧侶を育成する学校である。ここを卒業する人は、20歳になると、生まれ育った街で結婚することなく、一生仏門に身をささげる。
メンバーは、昼食として、ここで、生徒と同じ食事を食べる。ご飯と、さつまいもを赤トウガラシで煮込んだもの。
「熱い。」と言いながら食べるメンバーをよそに、生徒たちは、5分で食べ終わる。
その後、生徒たちは、昼食のご飯の一部を持って、中庭に行って、ご飯を投げて、川の魚や鳥たちにご飯を上げた。
「せがき施餓鬼」と呼ばれているそうだ。
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翌日、公園にて、
創太と
りぃ、
隼人の3人で、弓矢を撃っていた。
創太は、
りぃにいい所を見せたかったが、全然だめだった。かわりに、
隼人が撃った矢は的に命中。
りぃは、そのかっこよさに、
隼人が気になり始めた。
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