バングラデシュを走るラブワゴン、この日は、
「ジョムナ橋」を渡り、首都
「ダッカ」に向かっていた。
ダッカに着いた夜、メンバーは、街を探検、串焼き屋を見つけた。今まで、カレーばかりを食べてきたメンバーにとっては、久々のカレー以外の食事だった。
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翌日、
川平が
ヤマジの異変に気付いた。
ヤマジは、久々にメイクをしていたのである。
ヤマジ、
「地味に・・・」
先日のプールサイドでは、
でんじに、
「すっぴんで来い」と言われていた。
ヤマジは、今回、浮いていたつけまつげは着けるのはやめていた。
ヤマジ、
「つけまつ毛はほんとに依存しちゃってて。誰に言われても絶対取る気はなかったんですよ。それが、もうだって荷物極力少なくしてるあたしが、つけまつ毛だけは多めにもってきましたから。絶対にきらしてたまるもんかって。つけまつ毛と接着剤だけは。それをでんじの一言で、あっさり取っちゃったんですからね。あんなに大事にしてたつけまつ毛、あっさり取っちゃったんですから。すごいですね、でんじの言葉って。」
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その後、
ヤマジは、
ドライバーさんの誘いで、とある霊媒師のもとへ。この霊媒師は、死者の魂の力で、恋を自由に操れるという。
霊媒師、
「君はすでに素敵な人と出会っているね?彼の名前は何だい?」
ヤマジ、
「でんじ。」
霊媒師、
「では彼の気持ちが君に向くようにしようか」
ヤマジ、
「どうやって?」
霊媒師、
「簡単だよ。私に任せなさい。」
そして儀式が始まった。
神聖な鹿の角で
ヤマジの頭からつま先まで願いをかけ、
ヤマジの体の色んな所に息を吹きかけた。そして、霊媒師は、ポケットからゆでたまごを取出し、自分で食べた。すると、霊媒師が卵を産んだ。地面に落ちた卵を取り上げ、霊媒師はこう言った。
霊媒師、
「半分を君が食べ、半分を彼が食べる。そうすればその恋は成就するだろう」
ヤマジ、
「何時の卵か分からない、一度地面に落ちたたまごなんて、でんじに食べさせられません。」
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その夜、旅の資金が浮いているので、お酒を解禁した。一番盛り上がっているのは、
川平。そんな彼をじっと見つめる女性メンバーがいた。
ちゃむだった。
川平は、以前の恋愛について語っていた。
川平、
「さ〜マジ緊張したん、ファーストキス。俺んち来たんよ。」
でんじ、
「中3の時?」
川平、
「ちゃ、中2、中2! 夕方5時ぐらいね。向こうカマハンの自転車で来て。で、うしろこうやってあがって。」
でんじ、
「ヤンキーじゃん」
川平、
「俺が迎えに行ったんよ。部屋来ました。なんか俺ら付き合って何ヵ月経つねって言っとって、チューしない? みたいな感じになって。こうやっておったんよ。こうやって。ソファーがあって。そういう話になって。こうやって」
ちゃむ、
「くっはははは!」
この日の
ちゃむの日記には、
ちゃむ、
「(日記)明るくてみんなを笑わせてくれて優しくて。一番目で追っちゃってるのは川平だわ。」
ちゃむの恋が始まった・・・。